おはこん失礼、ひろいです。
今回は小ロット生産について。知ってる範囲にはなりますが情報を共有のために書いておこうと思います。
まず小ロットとはどのくらいの枚数を指すのか。
まずここがよくわからないですよね。『小ロット生産対応致します』という記載のあるHPも見ますが実際はどうなのか。
答えは工場によって大きく異なります。
普段1000枚単位で縫製してる工場からすれば100枚も小ロットですし、100枚生産が基本の工場なら50枚以下でも小ロットとなります。10枚以下は基本的に極小ロットと分類されることが多いです。
なので工場側は〇〇枚~対応可能と書くほうが分かりやすいですし、頼む方も遠慮なく〇〇枚でと伝えましょう。展示会などで受注してから生産数決まる場合は最低枚数〇〇枚~最大〇〇枚で。などと伝えれば見積も出しやすいです。
さて実際小ロットを対応できる現場さんがあるとして、
次なる問題はコストです。
どうしても小ロットは量産で数を流す場合に比べて高くなります。
※小ロットのコストの事はまた後日触れます
販売側としてはコストを抑えて上代を極力売りやすくしたいですよね。当然現場である僕もその気持ちは良くわかります。なのでこれから書く事を行えば通常よりはお安く作ることが可能かと思います。
ある程度業界にいらっしゃる人でしたら既知のことかと思いますが、今回は初めての小ロット生産向きに書きます。
仮にシャツを10枚生産したいとしましょう。サイズはフリー。色は2色展開です。
現場は見積もりを当初30枚くらいで5000円としていました。
小ロットのため7000円と再見積もりを出しました。ここには<裁断費用・縫製費用・ボタン付けなどまとめ費用・アイロンでの仕上げ費用>が含まれています。
この工賃ベースだとそのお客様は33000円超えないと卸せない。上代は25000円を設定したい。どうにか工賃を交渉したいと考えます。ただ少量の生産を受けてくれる工場自体がその方の知ってる範囲はもうありません。仕様の変更は展示会の後なのでできない…さて。
方法はいくつかあります。
・自分で作る
・できる部分を自分でやる
・自分の利益を下げる
・似たような商品で数量のあるものを同時に現場に提案する
・納期を伸ばしてスキマ時間を使って生産してもらう
・追加で営業かけて生産数を増やす
・おまけ
ざっくり6つ出しました。他にもあると思いますが5つ。メリットとデメリットを踏まえて説明します。
・自分でつくる
自分がミシンを使えるのであればこれが一番手っ取り早いです。納期までに時間をつくって生産を自ら行う。メリットは自分の時間をお金に換算しなければ工賃は0です。ミシンや縫製はできない人には不可能な方法です。デメリットは時間を大きく奪われます
・できる部分を自分でやる
上の方法で縫製はできないにせよ、裁断や芯を貼る工程、アイロンやボタン付け。
できることを自分でやることで、一つずつコストダウンを図れます。
メリットは工賃ダウンです。
デメリットは時間を奪われる。
リスクは裁断などの部分部分でのミスが自己責任になります。裏を返せば先の工場の見積もりはそのリスクも負っています
時間は取られますが、暇な時間に遊んだり休んだりしてるくらいなら作業してコストダウンするほうが良いです。
・自分の利益をさげる
根本的な解決ではないですが、上代を変えたくない、何も作業はできない。という場合に一番簡単です。
極端に言うと10枚で 17万円の利益を考えていたものを15万円で我慢する。こういうことです。
いずれ数量がある程度見込めるまでは我慢して利益率悪くても耐える。
メリットは作業に時間を取られないので、次の行動にすぐ入れます
デメリットはそのまんまですね。儲けが減る。
・似たような商品で数量のあるものを同時に現場に提案する
仮に数品番を展開していて現場を分けているとしたら。
A50枚 B30枚 C10枚として商品を製作するとして
AとBを別工場にいれているとしたら BをCと合わせて今の現場に総数40枚で交渉することです。
メリットは多少コストダウンが見込めます
デメリットは移動した元の工場さんの心象です。上手く気分を損ねないように正直に商品移動させてもらうように伝えましょう。予定を崩すのは迷惑ですからね
・納期を伸ばしてスキマ時間を使って生産してもらう
生産の忙しい時期だと交渉の余地なしになることが多いですが、工場も暇な時期や、生産と生産の合間に隙間ができることがあります。
そこを使ってもらっていいのでと交渉することも有効です
メリットは多少のコストダウンが見込める
デメリットは納期に対して交渉が出来なくなる
・追加で営業をかけて数量を増やす
展示会では数がつかなくとも、来れない人やまだ提案していない新規顧客もいるはずなので、そういう場所へ営業活動を行うことです。時間はかかる場合もありますが建設的な動きになります。
メリットは新規や今までになかった売り上げがあがる
デメリットは時間と労力が掛かります。時間をかけすぎると生産時期ものがしますので、時間は期限を決めましょう。
・おまけ
これはよほど先々の事を見通していて、信用を得ていないと通用しませんが
1年後には とか 次の生産の時は などで、次回以降の数量を増やす確約で交渉する方法もあります。
メリットは モチベーションの維持ができます。
デメリットは 守れなかった場合2度と交渉を出来なくなる、または仕事自体を取り組めなくなる可能性があります。
どちらにせよ先々の期待を売りにする場合は工場に対して契約書などを出せるくらいにしないと効果はないです。
現実的ではないのでおまけにしました。
どうでしょうか。小ロット生産時の交渉や方法のお役に立てればと思います。
今の自分にあるものが時間なのか 資金なのか 将来性なのか それによって交渉方法は変わりますが、ただ根拠なく値切るよりはやりやすくなりますよ。
今は大量生産と小ロットの二極が多いので、小ロット生産自体は工場も対応していかねばならない時代です。うちも1枚から生産は受けています。
ただどうしても掛かるものはかかりますので、商品自体に付加価値をつけて高く売るか、将来的に生産量を増やせるように行動して最初は薄利でも堪えてがんばるかなど
方法はいろいろ手段を持っているほうが良いです。
できる限り誰かだけに負担の行かない生産で気持ちよくお仕事しましょう。
あくまでみんな対等ですからね。
それではまた。