ひろいの徒然ブログ

アパレル生産管理自営の日々や子育て

【アパレル雑談 なぜ現場からオリジナルを発信するのか】お仕事の徒然01U10シリーズ

おはこん失礼、ひろいです。

昨日は若干酔って夜に気の向くままにnoteに書きましたが大事なこともあるので

ちょっとブログにも書こうと思います。

ちょっとしたオリジナルのストーリーを少しずつ書き残し。

なぜ工場であり、現場の生産管理をする僕がオリジナル商品をつくろうと思うのか。

これについて。コンセプトはまた追って。(まあ今回のものも関わってます)

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過去にいろいろ書いてきたことの積み重ねが結局僕のない頭絞ってみたら

オリジナルもやるしかねえな。っていう結論になったのが結果なのですが。絞った頭の中は大したものが詰まってるわけでもないので失敗したら笑ってください。まだ救われます。

 

何個か書き出して、自分も忘れんようにしようと思います。

 

無駄の多すぎる業界のゴミになるものを利用することで社会貢献のひとつに

まずはこれです。この業界は(全部じゃないっすよ)大量生産・低コスト・セール・廃棄がかなりの確率でワンセットになってる大手が多い業界です。そして、それは服が捨てられるだけでなく(この部分しか大体の人は知らない)それに伴って作られる、糸や生地などの資材の部分でもロスが大きくなって、ゴミになる可能性のある過剰生産の遺産が残るんです。

いわゆるサステナブル(循環可能な接続うんぬん)を業界も意識は高まってますが、これは各ポジションでやれることをこつこつやることしかできないと思ってます。

昨今ミニマリストなる人も多くなっているので、ものを廃棄したり、買うこと自体控えるが増えています。そういう状況の中で自分が工場・現場としてできることは

【残っていらないと言われる生地や糸・ボタンを利用して製品を作り上げること】

になりました。

現場の武器は技術もあるかと思いますが、メーカーや店舗とちがって来ます。作りたいものを作りたいタイミングや、隙間で即対応できること。これは中々どのブランドもできないことです(100%自社資本の工場もってるなら別)

 

 

閑散期や生産時間ロスを外部だけに頼らないで済む可能性を作り、現場の助けに

 これは二つ目です。上にも少し触れてますが、メーカーやブランド側。あとは振り屋や商社・企画会社もそうですが昨今は在庫リスクを減らす方向にあります。(これも大量生産系は別です)受注生産 いわゆる展示会や受注会を設けてそこでバイヤーさんなどから発注を付けてもらい集計して最終生産数を決める方法です。

これが中小規模のアパレルメーカーでは多いと思います。店舗をもっているメーカーであれば上乗せして店頭在庫も多少上乗せしますが これも受注状況見て数量を予測するのでリスクは抑えることができます。店舗がないブランドであれば卸す数量分しか作らないので ほぼノーリスクのモノづくりです(こまごまリスクは0ではないですが)

 

ここで展示会をして生産に入る・在庫リスクを持ちたくない  これが問題になります。展示会やコレクションは時期が大枠固定されます。たとえば3月に大体のブランドはAW(秋冬)の展示会をすませたりするわけです。その集計がおわり4月頭。

そこからみなさん同タイミングで生産がスタートするとしましょう。工場にも一気に生産が来ます。つまりキャパが一極集中してしまうわけです。で、多忙と暇に極端に別れることがある。

これが大量生産タイプのお客さんだと月単位や年間単位でキャパとってくるのでまだましなんですが(その分単価ひっくい)どうしても材料の手配のずれなんかもあるのでポイントポイントで手が空いてしまいます。工場は人・つまり人件費が多くのコストを占めてますので、生産予定がないと人件費だけが発生して えぐい赤字を喰らいます。

※これを逆手にとって閑散期や長期キャパ抑えるところは値段叩きまくってるとこも多いです

この現象は長年業界にあるものなので改善策は明らかなんですが、どこもできない根本問題です。細かくは書きませんが閑散期を作らないことはどちらにもメリットが大きいことのはずなんですがね。

なのでこの部分を外部にだけ頼ってるから問題になるわけだと思い、

【なら空いた時間を利用してモノつくればいいじゃないの】

てことです。

もちろんブランドやメーカーは売れるものを考えるプロがいるので、はい作りましたー売るぞーで売れるわけはないです。それは当たり前。

 

工賃の低迷を少しでも改善できる可能性により 工場の手助けに

こちらもあいたキャパの問題と近しいですが、もっと根本の問題です。

工賃。工場で言うところの縫製師さんの時間給を主として考えて算出されるものですよね。だいたいそうだと思います。昨今の小ロット生産の状況は縫製の効率化が計れないレヴェルになっております。これは絶対にあります。

仮に1000枚同じものを縫うコストが1000円として

それを100枚や50枚へたしたら10枚 となれば同じコストで対応するのは無理なわけです。

1000枚で1000円は100枚あたりから時間あたりの生産効率が伸びることを予測して算出されています。最初1枚に1時間超えてかかって縫い上げるものが1時間以内に収まっていくだろうという感じです。考えるより手が動く感覚ですね。慣れです。

ところが量産のコストを小ロットでも求められることがままあります。これは一概に全部をダメだとは言えないものの、メーカー側は工場にダメージを与えているのは明らかです。きつい時期を乗り越えるためにお互いの強力なので全部時間かかった分工賃だせ!とはいかないのも理解はしてるんですけどね。メーカーにもいたので。

 そして閑散期は工賃安くても仕事ないよりはマシとおもって工場も安くても対応しちゃいますし、出す側も安くなると思ってる節がある。

 おかしかろう。時給が季節で変わるんかい。四季折々の工賃かよ。

けどこれも言っててもそんなすぐ変わるわけないので、

【閑散期や隙間を利用してオリジナルを正規のコストで作ることで工場の負担を減らせるのではないか】

ということです。もちろん十分に生産を埋めるような数量がだせるわけでもないですし、それが売れてなんぼです。そんなこたあ分かってる。けど動かないよりは一歩動くことからしか始まらないからやります。

 

 

でかいことを言って業界変えたいとは言います。ですが完全に変えたり一気に変えたりは僕の力では限界があります。アメリカ大統領にでもなって

「明日からシャツは最低工賃3000円から、下回ったら犯罪ね」

とかできない限りコストの改革なんか一気にできないと思ってますし、大量生産中止 にして安物無くせといっても日本人の収入がいきなり全員毎月10万円増するとかにならないと高いものが早々売れるわけもないですし。

まずは自分の出来ることで小さなことから。それを見て別の人が大きくなにか動き出すこともあるかも知れないし、もしかしたらうねりが生まれるかも知れない。0の可能性ではないわけなので。

あくまで本業は縫製業。これがきっちり生活できる状態になればいいと思っているだけです。国内から亡くならなければいいなあと。

 

 

まとめ。

僕みたいな工場の人間がオリジナルをやろうとしている理由は

・業界のムダが循環させることができるモノがある

・工場のキャパや工賃の改善は即効性でできるものではない

なのでまずは工場のメリットになるもの・ことをしたいから。

でした。

最後まで見てくれてありがとうございます。

 

追記

Twitterにてモデルの対応を頂いたり、暖かい言葉を下さっている方々へ

普通に現場にいるだけでは出会えなかったり聞けなかった言葉です

それがあって可能性を探る行動に移ることができましたこと、心よりお礼申し上げます

 

ではまた