おはこん失礼。ひろいです。
今回は先日ちょっと触れていた小ロットがなぜ高単価になるのか。
を簡単にご説明します。
工場によって小ロットの基準はマチマチですが、縫製業に限らず小ロット生産のコストが高くなる原因は似たような理由だと思いますので
これから工場等に生産を依頼していく方の参考にでもなればと。
では早速ですが小ロット生産が高単価になる原因をつらつら書きます
・送料が発注数で割返すと 割高。
・糸や材料の最小ロットが消化できない
・商品作りに慣れることなく仕事が終わる
・裁断がまとめてカットできない
・経済ロットに比べて、日当に満たない工賃になってしまう
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一言で纏めると効率が悪い
ということです。
まず縫製工場の値段の決定は
ほぼ人件費が原価です。ここから年間・月産・日産でどれだけの売上(利益は今回記載せず)を上げないといけないかは、工場ごとに変わるとは言えど 算出はしやすいです。損益の分岐点として年間6000万円の売上が必要としたら月産は500万円必要で、日産は17万円くらいが必要になります。17万円を超えるほどに利益がでて経営が潤滑に出来るようになります。10名の工場だとして1名あたり1.7万円を毎日仕上げていくことが必要な工場ということになります。
※あくまで例です
つまり日産で上げないといけない売上は決まっているわけで、
縫う子が1日にどれだけ縫い上げることが出来るかで単価は決まってきます。
数が多いものは分業をつかいわけて、各々でパーツを分担したり、組み上げまでの工程を効率化させることによって、1枚あたりにかかる時間を短縮させることができます。工程分解ですね。袖なら袖だけを縫う 身頃をつくる 限られた工程なのでどんどん作業ペースが上がります。やっているうちに慣れてペースが上がりますからね
。
小ロットはそれが出来づらいのです。
つまり、1着を一人で完成させていく方法を取ることが多いので、如実にコストがわかりやすくなります。枚数も少ないとほぼサンプルを縫う感覚です。
パターンと指示書を見比べて考えながら作ることになります。考えたりミスしたら後戻りしながら。
シャツ程度のものでも2,300枚あれば最終2時間以内で1枚作れるものが半日かかって1枚程度なんてこともザラにあります。
工賃で2,3000円のものと 8、9000円のものが出来ることになります。
※もちろん継続性やほかの方法で小ロットでもコスト調整することはあります。
主にこれが小ロット生産が高くなってしまう原因であり理由です。
外からみると
5000円のシャツ 10000円のシャツ 30000円のシャツ
そんなに違いが無いように見えると思います。
実際商品としての差はそんなに大きくありません。同じような生地、同じようなデザインであればなんでそんな差がでるのか意味がわからないと思いますし、小ロットだからって工賃は変わらないだろうという様に思われることも仕方ないと思いますが
生産量の背景を見ると大きな差があるはずです。
それゆえに小ロットでモノづくりをしている、せざるを得ない場合はどうしても付加価値をつけたり、ブランドとしてのこだわりやデザイン性で個性を付けるなどして販売にかけていかないとただただ利益率の悪いものづくりになってしまうことになります。
あとは家内制手工業のように数人でやってらっしゃる工場さんが小ロットでもコスト抑えて縫製されていたりしますが、そう言うところは採算度外視でやっていることが多く、今後の継続性が見込めないです。
以上となります。短いブログですが小ロットがなぜ割高になるのかを 今回は書いてみました。小ロットは今のファッション アパレル業界だと対応していかないといけない問題です。数日前に書いたものと合わせて読んで頂ければ。
それではまた