ひろいの徒然ブログ

アパレル生産管理自営の日々や子育て

【アパレル生産管理の見る 納期の遅れ問題】お仕事の徒然

おはこん失礼、ひろいです。

ちょっとGW前で生産の段取りや納品がガタツイテルところ多いので

ここらで引き締めるために書いておきます。なんで納期遅れが起きるのか改善策はあるのか。

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まず縫製での基本的に起こりやすい納期遅れの原因を何個か上げます。

納期の遅れる原因

①工場の段取りが悪い

②縫製のサンプル対応せずに量産に入る(かつ仕様書しか見ていない)

③仕様がパターン・サンプル・仕様書すべての整合性が取れていない

④資材の投入が遅れている

⑤繁忙期によるキャパオーバー

⑥生産量の問題

⑦工賃の問題

⑧納品したものがB品の場合

 

まずはこれを説明します。読むの面倒であれば項目だけ見ておいて下さればと思います。

①工場の段取りが悪い

全体的な自社のキャパを理解せずにどんどん仕事をとるタイプなどがよくぶち当たる問題です。自社で対応できなくなると下請けや外注にヘルプを頼むこともありますが、sこでは縫ったことないものになるのでトラブル拡大することが多々有り。

これは工場の生産管理能力の低さが引き起こします。

特に自社工場でない工場へ頼む場合(振り屋さんなども)他社の仕事も絡んできますので段取りは工場サイドだけに任せない方が吉です。こまめに状況聞いていきましょう

②縫製のサンプル対応せずに量産に入る(かつ仕様書しか見ていない)

これも工場側の問題と言えます。繁忙期にありがちですが、納期もなく設定していた工場がパンクして代替え工場を探す際などに、サンプルも縫ってないところに出すこと。生産管理かじった人ならわかると思います。

これはメーカー・工場双方が商品の縫製仕様を理解できる人ならOKですが、そうでない場合いざやってみたら予想以上の時間がかかる という問題から遅れが出ます

シランガナてなりますが、事前の確認不足です

③仕様がパターン・サンプル・仕様書すべての整合性が取れていない

これはメーカーの問題です。パターン・指示書・サンプルは整合性が取れているべきです。そうでないなら何を基準に進行すればいいのかわからなくなりますし

万が一パターンが間違っているけどサンプルが正解  とかで進行すると。ミスのもとになり、修正などが途中で発生し、時間ロスで遅れたりします。

④資材の投入遅れ

これはメーカーや資材屋の問題です。生地や材料なんかが揃っていないと当然縫製は進行できません。ネーム一つ無くても完成形にはなりません。

よくあるのが生地やファスナーが在庫なくて投入遅れます。けど最終納期は間に合わせてください。という依頼です。はっきり言うと無理です。

あと縫えるところ進行しておいてください、というのも無理です。中途半端な状態で置いておくのは工場としては避けたいです。汚れが付いたりしますので。

よしんば出来るにしてもそれはたまたまや工場の努力です。あたりまえになっていてはダメです。資材屋にはペナルティがないのに、縫製の遅れをペナルティ付けてくるところすらあります。

この資材が遅れたことに関しては工場に一切の問題はないのでこれは縫製以外のところで調整してもらうのが筋。運送の遅延もそうです。あとは連絡もなく荷物送っても工場は正直見てないと思ってちょうどいいです。

⑤繁忙期によるキャパオーバー

これは①にも関わりますが、管理力不足の場合が多いです。それとは別で
繁忙期の中での想定外の事故などが大きく影響することがあります。例えば、働きすぎて人が倒れる。それによって人員が減る。荷物が遅延する。などです。投入時期のバランスを取りましょう。一極集中は物理的に無理です

⑥生産量の問題(工場規模との整合性やコスト関係します)

これは双方の問題です。まず大人数・ロット多めを基準にした工場(仮に経済ロット300/型とします)でしたら、納期の算出はそれを基準に出します。

300枚のシャツを完成させるのに5日間で対応出来る工場としましょう。

そこには人員や慣れなどの要素が複合的に合わさって、可能にしています。

そこで仮にこの工場へ20枚で依頼したとしましょう。

そうすると300枚を通常にしている生産ラインには入りません。小ロットの生産ラインを持っているところであればそこに入れれば対応に大きなズレはないですが、そういった対応をしてない工場の場合。正直なことを言いますと

「空きがでるまで対応しない」となります。経済ロットと経済ロットの間に入れ込みます。その隙間がない限り手をかけない工場である可能性が高いです。(それでも工場がここまでに出来ると言っているならそこは守るべきです)

なので生産数に合った工場をあてがうのがベストです。

⑦工賃の問題

これは双方の問題です。これは良いと思っては書いてません。それを前提に正直なことを書きます。

工場の見積もり通りにコストが通るところ。工場の見積もりを値切ってコストを決めたところ。この2社があれば投入タイミングが同時として前者を優先します。かといって遅れていいわけでは当然ありません。ですがなにか問題が起きて優先順位を決めないといけなくなった場合の決定はそうなりがちです。

(もちろん単発に限らず、年間で対応してるなどの条件も同じとして。です)

とくに極小ロットで工場を値切ることは僕は生産管理時代から一切しません。かといって理にかなってないコストでは出しません。そういったところも関与しています。

⑧納品したものがB品の場合

これは基本的には工場の問題です。商品に不良がありそれを修正で戻される場合。

修正は優先順位の一番に来ます。これにより余裕のない生産予定を組む工場は生産予定が遅れて行きます。

コストにも関わりますが、余裕のある設定をしているところはコスト高めです

余裕なく設定している工場はコストは低めなことが多いです

(時間で工賃だすので)

 

こういった要素が納期のずれを生みます。海外生産の場合は不測の事態もとても多いのでより注意が必要です。

ではこれを事前に防ぐ方法はないのか、となります。リスク管理ですね。

こんな方法が考えられます。

 

改善策

①納期にゆとりを持つ(投入時期を考える)

②生産管理を細かくする

③工場数件と取引する

④契約書でかためる

 

正直人間のやることなのでミス0 不測の事態0にせよ。ていうのは不可能です。

やれそうなことを4つ上げました。方法と効果とリスクの説明をいれます。

①納期にゆとりをもつ

これが一番効果的です。この場合工場の連絡してくる納期に1週間プラスで考えておいてください。逆に言うとメーカーさんが設定する納期より1週間早めに設定して現場に投入時期を確認とってください。その1週間がいざってときの保険になります。

 

②生産管理としての動きを細かくする

生地や資材を手配したら送り状を工場に送っておくことや、遅くとも納期の10日前くらいには進行状況を確認する。仕様のミスがないか縫製途中のものを1度確認いれるなど

あとあと起きうるリスクを回避していきます。

 

③工場数件と取引する

ブランド立ち上げてすぐに何社ともやりとりするのは難しいと思いますが(数が少ない場合特に)基本的にはメインとする工場とサブ工場を分けてかつ数件あれば

1件が納期等で問題起こしそうな時に、他社でやるなどの臨機応変な対応ができる可能性が高まります。ただ取引をしたものの継続がないと、工場もキャパをよそに取られてしまいますのでバランスを考えましょう。

 

④契約書でかためる

大手通販さんや大手メーカーの方法です。(ほかもあると思います)

かなり分厚い契約書と約款があったりします。

今回で言うと納期の問題に関しては、

予定納期から1日でも遅れれば〇〇%工賃より値引き 1週間なら〇〇% 2週間ならうんたらかんたら…

これは効果的です。ですが余程年間的に契約して仕事に取り組むでもしない限りは、工場はこの手の話は断ります。

理由は簡単で、納期は決められているのに、資材の投入が遅れてもメーカーが悪いという事がどこにも記載がないです。だいたい見てきましたがないです。それで遅れても工場が責任取らされる場合も少なくないです。

こういう契約書を結ぶときは、どちらもリスクを負うべきです。

資材の投入が遅れた場合、工場の1日あたりの稼働したらでる利益を保証するなどです。

ここを保証できないなら材料投入がずれれば別の仕事をします。工場は止まってられませんので。その分遅れます。材料の1日の遅れは、遅れであいた穴を埋めた商品が終わるまでの日程が遅れると思ってください。

 

 

ここまで上げましたが、それでも納期遅れ0にはならないと思います。

一番なのはお互いのヒアリングです

メーカーは自社の商品にあった生産力とコスト帯の工場と長く取引すること

工場はそういったメーカーさんの要望に真摯に嘘とかつかずにお答えすること

お互いにネガティブな要素こそ取引開始時に話し合って決めておかないと、あとあと面倒なことになりますよ。トラブルに関しても隠さず発生と同時に相談して決める。

 

これは個人的な提案ですが。工場に月単位で決めた金額を契約費用として支払うのはどうだろうといつも思っています。

工場は月産〇〇万円稼がないといけないと思って仕事をしてます

そこが100万なら50万先に払って、キャパ抑えるから毎月1日から15日まではうちの仕事以外すんな。ってのもありじゃないかなあと思ってます。

あとはとにかく

できることをやる

できないことはできないとハッキリいう

できないなら違う方法や納期を伝える

こういう事をうやむやにしないこと。これが一番です。

 

ではまた。