おはこん失礼。ひろいです。
昨今良くわからないネットビジネスモデルが蔓延していたり
アパレル業界は転売しか儲からないとかだったりの一部のネット情報が、すべての様に思われてても悲しいので ちょっと厳しいけど可能性のある世界なんだよ
とも言いたくて書きます。
過去生産管理会社(いわゆる振り屋)をしてた時に出会った工場のお話が
元になっておりますが、ノンフィクションです。
厳しいことも書きます。
アパレルの新規参入というのはとても簡単にできるものです。
その分野によっては特に大金が必要というわけでもありません。
難関国家資格を取らないといけないなんかも日本ではないですし、わりとハードルは低めです。
『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』
例えばアパレルも色々あって
なるだけなら販売員さんにはアルバイトからスタートしてスキル磨いて登っていく方法もありますし
物流や倉庫での対応していてもアパレルの会社の仕事であればそうなります。
もちろんメーカーやブランド立ち上げて売っていくぞ!というのは費用が必要ですが、縫える人なら1着ずつ自分で作ってネットショップやポップアップで地道にやって力を付ける方法であればそこまでリスクも高くない。
なんとかなる世界です
※売れるかどうかは色んな要素があるので簡単ではないです
そこで表題の工場という分野ではどうだろうか
ということについて書かせていただこうと思います。
はっきりいって工場はブルーオーシャンだといえると思います
特に関東圏内(東京都内からアクセスの悪くないところ)であれば、普通の技術と営業活動を行えば仕事に困ることはないと思うくらい
そのくらい国内は工場が少なく、あっても首都圏から離れた田舎と言われるところに多いのです(場所代や人件費の問題が大きいです)メーカーは東京都内がダントツで多いのに現場を見たこともない方が多いのはこういうことも影響しているかと思います。
まさに関東で工場を立ち上げた方がいたので(現在も存続されてます)例に取って話を書いていきます。簡単に詳細は端折ってますがポイントは書きます
僕が当時出会った工場さんは神奈川県で、工場を日本人だけでスタートする。とのことで仕事を何か出せないかということでお付き合いが始まりました。
当然東京都内ではないにせよ、神奈川県で しかも日本人のみ(社長は営業と縫製もできる)とのことで是非応援したく思いお付き合いを始めたのを覚えています。
最初はサンプルからでしたがカジュアルとは言えテーラードジャケットのクオリティも低くなく。工賃に見合った商品を作ってくれると満足していました。
ただ人数自体は当初5名(社員でなく縫製はアルバイトでした)でしたしそこまでキャパが無いだろうとは理解していました。
開始から半年と経たないくらいでその工場さんのキャパは埋まります。
先に書いたとおりでもありますが関東の工場ということで都内での営業がかなりスムーズに進み仕事は困らないくらいに入ってきたのです。
これを読まれた方は、相当美味しい状況だと思いませんか。
需要と供給ががっちり噛み合っていてかなり順調に滑り出せてます。
これだけでも工場を事業として行うことはかなり需要があるのが分かっていただけると思います。そういう部分でみれば、しっかり管理体制を取れれば利益を残しながら事業として継続するのは難易度が低めだと思います。
と、ここまでは良い可能性もありますよ。という話です。
ここからはその現場が大変な状況になっていく話です。
今から縫製業をやろうとしている方、考えられてる方は参考事例として反面教師にして頂ければと思います。
先に挙げた仕事が埋まっている状況まではとても良い状況です。
起きてくる問題を羅列しておきますと
初期の問題
・人員の技術が追いつかなくなる
・何でもかんでも取りすぎてキャパオーバー
・歴が浅いので協力工場が少ない
・生産管理が居ない為管理が出来なくなる
・縫製の知識が足りていない
これらです。
中期問題
上記を考えてもちろん改善しますよね。
現場の規模はそのままにキャパを増やす。簡単な方法は仕事を振り分けることです。
仕事量はあるわけで、協力工場を増やしていくことになります
現在工場や現場・生産管理をされている方でしたら何となく予測は付くと思いますが
・自社と他社でクオリティさがでてくる
・多数の協力工場の管理ができない
・繁忙期は良いが、閑散期は仕事の薄さで合わない仕事も取らないといけなくなる
全てではありませんがこういう問題が出て来ます。
そもそも往々にして新しい工場が陥るのが、自社の生産能力(数量やクオリティ)の把握が出来ていない場合に起きる問題です。
新規参入なので仕事はほしい為にガンガン取っていきます。
そして縫う人はたとえ何でも縫えると言っていても そこは人間なので、縫えるスピードやクオリティはそうそう上がりません。
かといって一度仕事を受けてしまうと納期が近づくにつれて、やっぱり出来ませんは通用しなくなります。
簡単に言うとこの工場さんは
初期段階は納期に忙殺されて、納期遅れ。それに伴ってスタッフも社長さんも睡眠できないほど仕事に時間を費やし、縫製のクオリティは下がる。全員体調もおかしくなって、スタッフの中では失踪した人も出ます。完全にお手上げ状態になり。各所に迷惑をかけまくり一次休業。
中期段階は、自社でサンプル対応を行い、協力工場を増やし数量の対応は可能になりましたが
協力工場はあくまで自社ではないので、他社の仕事とも相まって納期遅れなどが多発してしまい。協力工場から別の協力工場へと全国を転々と走り回る日々になり
さらにサンプルと量産のクオリティ差が大きい場合も有りクレームが増えます。
また休業。
結局最終的には最初の規模に戻し
コスト面や生産キャパを考慮した上で、客先も絞って
いまはバランスよく運営されています。
工場は実際少なくなっていて、参入すれば需要が過多になります。
そこで一旦冷静に、仕事を精査して。スタッフの慣れや手の空き具合を見ながら
徐々に仕事量も増やしていけば とても良い仕事になると思います。
当然コスト面は考慮しないとボランティアになりますのでご注意を。
どのお仕事でも言えることですが
彼を知り己を知れば百戦あやうからず
相手先の情報・自社の情報を正確に理解して仕事に望めば
失敗の少ない良い新規参入先だと思います。
ではまた。