おはこん失礼。ひろいです。
今回はアパレルでよく問題になる生地のB(不良)問題について、解決策や対応方法など書いてみます。
まず生地のBといっても様々なものがあります。
・色むら
・糸飛び込み・異原糸混入・糸引き・生地傷 etc.....
他にも染ロットの違いによる色のロット振れなんかもあります(これはBではないです)。
こういったものはその不良箇所が残ったまま製品になってしまうと、値引きや最悪買い取ってもらえないなどの問題に発展することがあります(買い取らないは正直やりすぎだと思いますが)。そうならないために各所で注意しつつリスクを分散・減らしていくことが必要な問題です。
実際店舗に出てしまってからの問題が発生すると、どこでおきた問題か明確にならなくなるので…大体工場に負担が来てしまいます。
具体的に対処が難しい例をだしますと
生地に10cmにわたる傷があるとします。
生地屋さんは20cm分生地代をメーカーさんに収める際にマイナスして納品しました。
縫製工場は傷に気づかずに縫製を終わらせてしまい、製品検品時に傷のあるものを発見しました。
メーカーは1枚も生産数を減らしたくないしキズモノは受けとりたくない。
この場合どこがどのようにリスクを負うのか、何度も揉めたりします。
生地屋さんは20cm分値引きしてるので問題なく思いますし
工場は気づかずに縫製してしまったものの商品で発見したので最悪の状況はまぬがれました
メーカーとしてはキズモノで1着減るのが嫌なので傷は10cmでも商品1着分の生地を生地屋に無償で提供して欲しいと、それを工場で追加生産したい
この状況は本当によくあります。これだと実質的な損は縫製工場と生地屋の2件で受けることになります。なんかもやっとします。
こうなる前にできることは無いのか?
3箇所の観点から見ていきます
①生地屋さん
②アパレルメーカー(ブランド)さん
③縫製工場
この3つの場所でどういうことが出来そうか。完全な対応策ではないですが考えてみました。
①生地屋さん
ここは生地を製造販売する場所です。ここで対応できることはかなり大きいことになります。
まずどの生地屋さんでも検反といって生地の不良がないかをチェックする工程は必ずあります。(ない場合は問題です)
これは生地屋さんごとに基準は変わりますが、一般的にA反といわれる製品を作るのに問題のない生地はチェック時に問題点が0~5箇所くらいまでは許容とされていることが多いと思います。そして問題点にはトンボといって生地の端っこに この位置に不良箇所がありますとわかるように印を入れてくれています。
ここまでは通常の状態でどこもやっているのが基本です。
これに+して 生地の状態をメーカーや工場に連絡・その対処方法を伝えておいてもらえればメーカー工場ともにリスクは減ります。
具体的には Twitterのフォロワーさんの生地屋さんでは
工場に生地のBの内容を説明して、修正可能な傷等の場合は 生地屋で製品になったあとに修正をいれるので縫製は進行してOK 等 先行して連絡をいれておく。こういうことを実行されている生地屋さんがいらっしゃいました。
これは工場側は安心感がありますよね。
②アパレルメーカー
ここは材料の手配の司令塔であり、最後に商品を見て管理する場所になります。
お客様の立場ですね。
ここでは生地にBがあると生地屋の連絡でわかるはずなので、その分多めに生地を手配しておくことや、かりにそれがあるまま進行するにせよ 生地のB部分は除いて縫製する指示をだすなど、問題を明確にして、方法を提示しておくことが出来ると思います。
あとはチェックを必要とする場合に納期のズレが生じる可能性があることを許容できるか、も大切なことです。
③縫製工場
ここでは傷があることを事前にしっておけたのなら、そこを外して生産を進める段取りを取りましょう。裁断時に傷の印のある部分は使わないようにすることや、その部分を捨てずに残しておくことも大切です。
事前情報がない場合や印もないのに傷がある商品を見つけた場合は
まずは自社で傷や汚れをつけたモノではないかを吟味します。自社で付けたものでない場合は、まずはメーカーへ連絡してどう対処するか確認しましょう。
かりに直せそうなものであっても、下手に連絡せず修正すると2次的な問題が発生する場合も多いですので、指示を待って対処をしましょう。
さて個々の場所で取れるような対処は書いたとおりですが
3社が連絡を取り合える環境を作ればもっとこの問題については処理がスムーズだと思います。
①の生地屋さんのところで少し触れましたが、生地屋さんと工場での連絡が取り合える環境をメーカーさんは作ってあげると良いと思います。
生地屋は生地に関してのプロなので、生地での問題の処理については一番対応策を具体的に持っています。メーカーや工場では対応できないことも生地屋さんなら対応ができることもよくあります。
ですが、工場と生地屋さんはなにか特別なことがない限り 直接の連絡は取らないことが多いので、そこは司令塔であるブランド側で、信頼できる現場をつないでおくことが大切になります。
実際に生地には傷や汚れはつきものです。製造工程の中で機械や人の手を多く通す洋服は、そのどの箇所でもなにか起きうる可能性があります。
最終的にどこかだけが負担を請け負わずに済むように、各所での協力体制をとって行くことが問題を減らすことに繋がります。
生地屋・工場での対応も当然のことながら、メーカーサイドもその商品の製造の流れを理解して、クオリティの求めるレベルが高い場合はチェックが多く必要となりますので 納期的なゆとりや 掛かる費用ももっと考慮すべき場合もあるかもしれませんね。
ではまた。