ひろいの徒然ブログ

アパレル生産管理自営の日々や子育て

【アパレル パターンの作成時の費用について】お仕事の徒然

おはこん失礼。ひろいです。

今回は服を作る際に必須のパターンについて。

パターンそのものについては僕は専門外なので、その道のプロに作り方などは聞いてもらうほうが良いです。(パターンからモノを作る人など)

僕はパターンはブランドさんから預かるか、パタンナーに依頼して作成してもらうので

意外とそのコストは見積ではっきりとしていないと思い、書いてみようと思います。

 

あと服を作りたいという人が、結構初期費用が掛かることを分かっていない場合が多いので、その注意にもなるかと思います。

もし費用を極力抑えてブランドを始めたい人は、パターンも縫製も自分でやることをお勧めします。

そしてリライト。一人でやるメリットは自分の中のモノを自分で全て表現しきる事ができるため、出来上がりのモノに納得しやすい(技術や機材によるのは勿論のこと)、ただ時間と労力は必須です。人を介さないということで、他者のフィルターを通さない。というメリットです(ここを汲み取れるパタンナーさんも居るはずですので、一概には言えないですが)

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まずパターンの費用は

・企業として対応している所

・個人として対応している所

があります。どちらが良いということはありません。

強いて言うならパタンナーさんも経験値や得意なものがありますので、こだわってモノを作られるのであれば、それを専門としているパタンナーさんに依頼をするのが一番です。

 

あとパターンを作るといっても単純にパターンを依頼して すぐ出来てくるものではありません。依頼の際は、サイズ感や縫製仕様。デザイン(写真や絵などでイメージを伝える)どういう資材や生地を使うか、サイズ展開なども含めて

依頼主がある程度構想と理解をしていないと時間も費用もドンドンかかってきてしまうと考えたほうがいいです。

パタンナーは技術職なので、見積もりは経験則から基準として出してもらえますが

時間がかかるほど当然費用は上乗せになることもあります。

 

今回紹介するパターン費用は

僕も依頼をかける方で、個人のパタンナーさんです。手書きではなくCADで作成するタイプです。もともとメーカーから工場での勤務経験もあるので、工業用パタンナーさんと思ってください。

メリットは

・トワルの製作

・グレーディング

・紙出力

・サンプル縫製(ミシンの対応できるモノによる)

・知識がなくても相談しながら対応してくれる

こういうタイプのパタンナーさんなので、これからブランドを作ったり、いまからショップにオリジナルを展開したい。けど詳しく縫製や仕様のことがわからない。なんて人にもオススメのパタンナーです。

 

では各項目ごとに費用と注釈程度に説明をいれます。

※あくまで僕の知っている一人のパタンナーのコストです。他者や他社でかわります。僕の知ってる中でも差があります

全部で7つです

①マスターパターン費用

②トワル作成費用

③仕様書作成費用

④グレーディング費用

⑤データ修正・アレンジ費用

⑥プロット(紙出し)費用

⑦サンプル作成費用

 

①基本マスターパターン費用

パターンの基本となるサイズ(MやLなどのどれか)のデータ作成費です。

作る商品によってまちまちなのであくまで基準値です(前後はあります)

・ジャケット/コート  25000円~

・シャツ 18000円~

・ボトムス 20000円~

・カットソー 10000円~

 

②トワルチェック

シーチングなどの白い生地で、作る商品の形を仮縫いして見てもらう為のものです。図面でイメージが出来づらい場合や、素材が特殊な場合は、生産にちかい素材でやってもらうこともあります。

・半身 3000円~

・両身 6000円~

 

③縫製仕様書作成

縫製時にパターンとは別に、仕様を確認する書面です。パターンだと見る手間が大きくなるところを概要的に縫製内容をつかみやすくするために必要なものです。仕上がりのサイズなども記載したり運針(ミシン目の細かさ)も記載します。

裏の仕様なども細かく必要なアウターなどは枚数が多くなります。

・作成費 2000円~

 

④グレーディングデータ作成

①のマスターパターンをサイズ展開する作業です。M基準でマスターを作成していてSとL寸を作りたい場合は2サイズ展開になります。

1パーツごとに費用がかかることが一般的です

・1パーツあたり 700円~

 

⑤パターン修正・アレンジ データ作成費

パターンを1シーズン後に少しだけ変更したり(ポケット位置を変えたり)サイズ感自体を変えたりなど、マスターパターンをベースにした変更作業です。

・修正 パターン代×10%~

・アレンジ パターン代×70%~

 

⑥プロット費用(紙出し)

データとして作ってあるパターンを紙に書き出し、各パーツをカットしてもらう作業です。カットすることを別途費用にするところもあります。パタンナーによってはプロッターという紙をだす機材をもってなく外注になったりします。1パーツごとの費用です

・基本 700円~/枚

・シャツ 1500円/枚

・ジャケット/コート 2000円~2500円/枚

・パンツ 1500円/枚

・カットソー 1500円/枚

 

⑦サンプル縫製費用

実際に仕上がったパターンで、実際に使用する生産用生地での1着を縫製する作業です。パタンナーさんによってはこれは対応していないことが多いです。

※このパタンナーも特殊縫いは対応できないものも多いです

・ジャケット/コート 20000円~

・シャツ 13000円~

・ボトムス 15000円~

※生地や資材は支給することが前提

 

 

以上。

これだけの費用が必要になります。

仮にジャケットのサンプル1着とサイズ展開3サイズにしたとすると

概算になりますが

100000円超えてきます。

 

これが1デザインパターンを完成させるまでに最低限必要なコストです。

よく服の原価がどうこうという話もありましたが、実際こういう初期費用を考えると、一般の人が知らないだけで結構なコストが掛かっていることになります。

量産が30着程度で 1シーズンで使用を終えてしまうパターンだと 

1着あたり 3000円から4000円 この工程だけで費用が必要です。

 

ブランドやメーカーさんが社員として雇用されている場合はここまでの費用を原価としては計算されないことが多いですが、実質はかかっているようなものですね。

 

今回は僕の知っているパタンナー基準のお話なので、別の方は安かったり高かったりします。

 

ですがこれからモノづくりされる人の参考になればと思い書き残しました。

 

 

ではまた!

 

2019.3.18追記

世界的には日本のパターンの費用は安いというご意見もいただきました。

人によるとは思いますが、この記事のコストは僕の知ってる一名のものとして見ていただけるとありがたく。世界のパタンナーさんのコストも分かる方は是非お教えください。