おはこん失礼。ひろいです。
寒いですね。雪降ってる地域のみなさんは事故などお気をつけください。
さて今回はショートブログになると思いますが、表題にあるようにボーダー商品がどのように作られるのかをその難易度や注意点を書きながら解説しようと思います。
最近よく柄が合ってない などの声をメーカーさんサイドからも聞きますが、実際にどうやっているのか知らない人も多い様子。知っておかないと現場に指示も出せませんしね。本当は現場の裁断などのタイミングで工場へ見学に一度は行かれることをおすすめします。現場も下に書く工程を全部行っているとは限りませんのでね。
みんさんも手元に1枚は持っているんじゃないかと思うボーダーTシャツを例にとって説明していきます。
うん。この写真のTシャツは見事にボーダーの柄が脇や袖も含めて合ってますね。
生産方法はシャツであれコートであれ基本的には柄を合わせていくという意味では同じことをします。では解説開始!
【ボーダーカットソー生産の流れ】
1.生地を手配
2.生地を裁断
3.縫製
4.仕上げ
工程はこんなもんです。そんなにややこしいことはありません。形自体はシンプルなものなので縫製がややこしいということはありません。
では1から4について細かく説明。
特に2が大切です。
1,生地を手配
大体の工場さんは生地はメーカー側で手配されると思いますので、そうだと仮定してます。
2の裁断に入る前に生地の状態をチェックします。一番重要なのは生地が【斜行】していないかということ。斜行とはざっくり言うと編みの組織の都合上生地の地の目が斜めに流れてしまっているような状態です。リンクも貼っておきます。
この斜行が酷過ぎる生地は次の工程に入るにはリスクが高すぎますので、その時点で手配されたメーカーへ連絡を入れて 生地を整理するなどの対処をしてもらいましょう。
この連絡を斜行を知らずに怠ると、製品時のクレームにつながります。
2.裁断
ボーダーの商品で柄を合わせろと言われた場合ここが要になります。
この段階でどれだけ時間(つまりコストです】をかけるかで商品の見栄えは大きく変わります。
A.まず生地を放反します。(放反は巻かれているを拡げて生地が引っ張られている状態を自然の状態に戻す放置の工程です)
B.生地を延反します。専用の機械を使って記事を引っ張り出しては重ねていきます。
この段階である程度ボーダーの生地の左右で柄を合わせて積んで行きます。そのあとポインターで左右のボーダーの位置を確認しながら人の手できっちり積み直します。
C.型入れ+粗裁ち をします。
こんな感じでまずは見頃より大きく粗く裁断します。必ず見頃同士が横に並ぶように入れます。ポケットのある場合はポケット位置あたりで見頃から横にずらしたところで粗裁ちしておきます。
その粗裁を再度横の柄が合うように積み直します。積み直したら型紙通りに裁断します(正裁ちといいます)。この時裾がボーダーに対して水平になるように注意。パターンの合印同士が前身と後ろ身で柄が合うようにチェックもします。
袖も同様です。基本は見頃の 写真の〇印同士が合うように位置決めして裁断します。
この裁断時にさらに手間をかける場合は、少し丈をを長めに裁断しておいて、縫製時に生まれるズレを最後にカットして処理する方法を取ることもあります。
3.縫製
やっとこさ縫製です。
二本針 ロック 三本針 表振り 裏振り などなど細かい仕様と糸色をチェックして縫製に入ります。縫製時も引っ張りながら縫うと柄がずれていくので、無地の商品よりゆっくり気を遣って縫うのが殆どです。
4.仕上げ
縫い上がったものをアイロンで仕上げます。サイズのチェックもこのタイミングで行い、最終検針をおこなって完成です。
とにかくボーダーの商品は無地と比べると手間と気の使いようが桁違いになります。
仮に無地Tシャツを現場に1000円で縫ってもらっているとしたら本来は倍以上、あたりまえにコストが掛かってくる商品になります。たまに無地とボーダーを同コストで提示される場合がありますが、無地のコストと同コストだと現場は即答で断ります。笑
かといって
こういう工程を人が行っている事実
も知らなければ、どのくらいのコストがかかるものか想像もできないと思いますので記事にしました。
ちなみにチェックの柄合わせはこれ以上にキツイっす。
参考になればこれ幸い。
ではまた。