ひろいの徒然ブログ

アパレル生産管理自営の日々や子育て

【工場のやり取りで求められている事はなんだろう】お仕事の徒然

おはこん失礼。ひろいです

今回はちらっと見た意見で、工場のちょっとした癖と

それが求められているのかを考えてみます。現場にいながらメーカーさんともやりとりする機会も多く、メーカーで営業もしていた観点から。経験則にはなりますので全部が全部そうだというわけではありませんヨ

f:id:hiro-itoshouten:20190221191016j:plain

 

工場ってのはいろいろあります。

小規模であれば職人さん一人の工房もあれば100人単位、日本ではほぼみないですが数千人規模もあると思います。

この人数にも関わっている部分はあるのですが、工場の癖として

いざ営業にでた際に発信すること

うちの技術は うんたらかんたら!!!!

というような営業を受けた方いらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん技術をアピールすることは必要です。工場であれば得意な商品や特殊縫いが対応できるなどは武器ですし、無いよりあったほうがいいに決まってます。

ですがそれは新規の方へのジャブです。ジャブなんです。

つまり、それだけで相手の心をノックアウトはなかなか難しいです。

 

こういった技術の側面はとても大事な要因の一つです。

その技術や設備を持っていないと出来ない事がある場合は、そこでしかできない仕事を獲得できますし仕事の依頼も有り続けます。けどもリピーターがどれだけの率で残るかというと意外に多くはないのではないかと思います。

理由は

・他でも同技術を持つところがあった(乗り換えた)

・そこでしか出来ないが、それだと代えが効かないのでやーめた

・単に高いから企画にはまんない

 

ほかもあるとは思いますが離れる要因としてはその辺かなと思います。

これは国内の工場にあるあるなんですが、技術が優れていたり、特殊な機材をもっている工場は言い方はあれですが「天狗」になりがちです。少人数の職人さんほどその傾向もあるように思います。

ゆえに交渉事の時も

「埋まってるから納期ずれるよ」※希望日に投入していても

「コストがはまらないから上げてくれないとやれないよ」※見積もり後

「うちは技術が〇〇だから…」※なにかにつけて

こうなりやすいです。

 

ぼくも現場の人間なので、技術やかかった時間に対してのコストなどは見るべきだと思いますが、相手からの指示のみで判断したもので算出したコストはそれはそれです。

合わないなりに柔軟に工場側も提案をしているでしょうか??

 

これが出来る工場は少ないです。

例えばメーカーさんの指示が(分かりやすく条件絞りますね)

[カジュアルシャツ]

・コスト 3000円以内希望

・縫い代始末 折伏せ縫い5mm

・ハンガー納品

 

とあったとします。

工場としては値段が合わないとなりましたので、メーカーにコストUPを要求します。

工場「折伏せ縫いだし、他はこの値段だからうちでは出来ない」

こんな感じで。

これだけで話が終わっていたらメーカーサイドも

お客様「そうですか…」

となり他を当たるしかなくなったりします。

 

こういう時に提案を出来る工場であれば、

工場「商品は見栄え重視ですか?それとも仕様のこだわりがありますか?」

と提案し始めることができればちょっと話は変わります。

メーカー「正直表ヅラがデザイン通りであれば、いいかな。」

工場「あとはシャツなので納品形態をハンガーでなく箱詰めでもいいですか」

メーカー「まあカジュアルだし、それでもいいです!」

工場「では、脇などロック始末にして片倒しにして、箱出荷にすれば500円DOWNでやれますよ」

 

こんな感じです。

 

これは工場が生産効率や相手のコストまで考えて

現場がやれる範囲での提案をできる工場です。

確かに面倒ですし、いちいちそんなことまで考えてられない・うちはこのやり方なんだ・技術が高いんだというプライドもありますし、時には正解だとも思いますが、工場としても生産性を考えれる能力はあるべきだと考えています。

コダワリは必要ですが時にはとっぱらうことも必要です。

 

これはメーカーサイドにも言えることで、ある仕様ではどうしたってコストダウンが出来ないものはあります。そこをコダワリはどこにあるのか、デザイナーはどこを重視しているのか、を把握して。この部分は必要ないというところは削っていく柔軟性も必要だと思います。

 

実際、高い技術の職人は少数ですし そこに価値があるから依頼するのであればコストや時間は必然的にかかってきます。ですが職人は後継がいてもそうそう多くなりませんし寧ろ減少傾向です。

 

場合によっては変なこだわりを捨てて生産性を追求した話し合いがお互いにできる

そんな関係を作れる相手と僕は仕事をしたいと考えています。

 

短いお話になりましたが、ちょっとした意識の変化になれば幸いです。

ではまた。