とにかく問題多い業界だな。。
前回に続きまして、問題点を書いてみます。
クレーム編でございます。
縫製工場で実際にあったクレームを書きます。僕がその立場なのでね。
前も書いてますが簡単に立場をご紹介
・売り手(お店さん)
メーカーさんより商品を買う・預かる などをして最終製品を消費者さんへ販売するところ。メーカー直営店もあれば、セレクトショップもある。インターネットショップもそうです(ZOZOTOWNとかね)
・メーカー(ブランドさんのことです)
商品をデザインから企画し、生産するための材料などの選定・購入をする。企画書・パターン・仕様書などもここで作成。デザイナーさんはここに所属していることが多いですね。
・商社(材料手配代行や 場合によりパターンなども作成)
小規模のメーカーさんだと手配しづらい(与信が低いなどで)大手の生地や資材をメーカーに変わって手配したり、場合により企画も手伝う。
・企画会社・振り屋など
企画会社は 自社でデザインを考えてそれを売り込むところ。ブランドを持つわけではなくデザインや企画を売る(いろいろなタイプがあるので一例として)
振り屋はメーカーさんが工場を知らないなどの場合。生産委託をうける。それを工場へ依頼する(振る人です)
・生地等資材屋さん
材料を上記へ売る
・縫製工場(縫う・仕上げるところ)
上の方々より依頼をうけて、材料を組み上げ製品にする。
今回はクレームが製品についた際、どのように流れてくるのか
どのように責任をもつのか なんかをざっくり書きます。
メーカー→企画会社→振り屋→工場
この場合でいきます。金額は(仮)です
※実際あったことです
まず製品にクレームがつきました。上代20000円
↓
メーカーさんは企画会社へ製品での納品を依頼していたので製品で返品しました。6000円
↓
企画会社はその金額を 振り屋へそのまま流しました。6000円
↓
振り屋は工場へそのままぶつけました。工賃は2000円
ポイント1
クレームのついた製品は どこが悪く・どこにその責任があるのか ですよね。
ポイント2
クレームに対しての金額は妥当なのか?
ポイント3
工場は加工賃のみで受けているのに、関係のないコストまで見る必要があるのか?
〈事例〉
企画会社が工場へ 当初
企『クオリティはうるさくないメーカーだから、パターン通りに縫ってくれたらいいよ、だから安く頼む』
と、連絡していました。通常なら3000円は必要な工程の製品ですが、暇な時期だったこと・クオリティはうるさくないとのことなので カジュアルの仕上がりを目安にスピード重視で行けばぎりぎり赤字にはならないと思い 請け負いました。
納期が非常にタイトで、先上げ品をつくる余裕がなく
工場は企画会社と振り屋へ
工『完成サンプル品があるはずなので貸してくれ』
と頼みました。
両者は
振 企『メーカーさんが何かに使っていて借りれない』と断りました。
工場は
工『では使用が終わったら貸してください。クオリティうるさないといえど、クオリティや仕様を確認しやすく縫製のペースも早くなるから』と伝えます。
両社は再度
振 企『本当にうるさくないから大丈夫。パターン通りなら文句ないから』と。
でも現場は不安なのでぎりぎりまでサンプル貸出依頼をします。が1ヶ月間サンプルは借りられず、納期も差し迫ってきたので。納期遅れと言われては困るため、縫製を進行。予定より1,2日ずれましたが最終納期には間に合わせました。
この際最終の仕上げは企画会社指定のプレス屋へ送りました。
納品後、1週間ほど経って 縫製に問題があると店頭から連絡があったので店頭はメーカー本社へ商品を戻しますと連絡します。
メーカーは企画会社へ、企画会社は振り屋と工場へ。その旨連絡しました。
工場は、連絡を受け、
『こちらのミスであれば修理してすお戻ししますので、問題の商品を送ってください。』
と連絡しました。
その後連絡がなく、再度同じことを連絡
両社から
『問題の箇所を写真送る』と言われました
写真はきましたが、どこがわるいのかよくわかりませんので
工場『申し訳ないですが、商品とパターンを戻してください。確認して直します』と連絡。
その後しばらく期間をあけて、商品が全部だめなので納品できない。と連絡がきます。
工場は
『何度も言ってますが、修正できるものはして納品し直しますので現物をとにかく送ってください。見てもないのでわからないです』と伝えました。
両社は
『直せるものじゃない』と言います
工場は
『それはこちらが見て判断するので、とにかく早く送ってください』と連絡。
・
・
・
そのまま納品した月をまたぎ、翌月になりましたので工場は前月の仕事として請求書を作成して送りました。
その月の半ば。納品からは1ヶ月半が経っています。企画会社より
『先日納品できないと伝えた商品ですが、下代で買取になったので、それを伝票から相殺して差額だけ振込みますね』と連絡。
現場は
『いやいや、こちらは何がわるいのか確認したいから商品を送ってくれと言っているのに、モノも見せずに値引きするとは どういうことだ?しかもうちは加工で受けているのに、なぜ材料やおたくの利益まで保証しないといかんのだ?モノを見て、きっちりどこに責任があるのか・直せないものなのかも確認してからの話にしてくれ』
と連絡。
両社は
『では2品番1枚ずつ送ります』
そして1枚ずつは確認。
それを見ると。針穴が1箇所あり、他は特に問題がない状態。
工『どこが悪いのかわからない。針穴は修正できるから、すぐに戻してればこんなに長引かず、メーカーさんへ戻せたはずだ』と連絡。
企『1品番は仕様が違う。1品番は針穴とクオリティが低い』と伝えました
工『パターン通りに作ってある!しかもクオリティはそちらがうるさくないと言ったはず。サンプルも貸さず、先上げする時間もくれず、何を言ってるんだ。値引きは受けない!』
と伝えました。
企『うちはほかに納品してもらってるものもあるので、100万ほどおたくへ支払いがあるが、値引きも2品番で100万だからほぼ振込はない。差額の数万は払うが、ミスがなければ利益が取れてたはずだし、先方へ謝罪へ趣いたりの移動費なんかも、請求したいくらいだ!』とのこと。
・
・
・
さーて。この問題。
アパレルで企画会社や振り屋が入ると、起こりやすい問題です。〈下請けいじめ〉てやつですね。お金を払うほうが、立場が強い典型です。
どこがこのクレームに対して責任があるのでしょう?どう対応するべきでしょう?
わかる方は是非コメントでもどうぞ!
具体的にどうなったかは、後日また書きますねー。
まあ、関わる全員が問題なければ利益を得ることができたわけですね。
そして、メーカーの値引きを全額工場に負わせれば、工場以外は実損害はありませんね