ひろいの徒然ブログ

アパレル生産管理自営の日々や子育て

【アパレルはなぜ『間』の業者が存在するのか】お仕事の徒然

 おはこん失礼。ひろいです。

前もちょっと書いてますが、最近また聞かれたので再度書こうと思って

今回もブログの形式を取らせてもらいます。

メーカーやブランドさんと縫製工場。これだけで服作りはなかなか成り立っていません。あたりまえに買ってくださる方や販売員さん・宣伝する人等もいて成り立つわけですが作る側でもほかの要素として中間で生産管理を生業にしている業種もあります。

商社・企画会社・デザイン会社・振り屋 呼び方や形態はいろいろですが、なんで必要なのか。ということにだけ今回は着目します。下記は過去記事ですので、お暇なときにでも。

www.hiroitoshoten.work

 ここでは色々呼び名があるのでまとめて、あえて『振り屋』と定義させていただきます。OEM・ODMなど形態は様々ありますが、アパレルメーカーさんがなぜそういった中間管理業を必要とするのか。消費者目線やショップさん目線だと、そこの『間』抜けば安くなるんじゃないの?という疑問も当然あるはずです。抜けばその一社の利益がなくなるので、当然居ると居ないでは変わってきます。なのになぜ使うのか。メーカと工場 直接でいいじゃないか。となります。

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これは生産管理業が軽んじられてきている今までの流れからも原因はあると思います。

軽んじられていると僕が感じる理由は、過去メーカーに所属していた際に

生産管理は企画や営業がやればいい  とその会社の代表が発言していたことなどが原因です。その発言に反抗して僕はやめて工場を始め生産管理もしているわけですが。

確実にこの分野は必要です。必要な理由。主だったものをあげます

 

理由① 縫製業は分業が多い

理由② メーカーの人手不足・経費の削減

理由③ 工場の高齢化・縮小化

理由④ メーカーと工場の物理的な距離

 

それぞれ簡単にですが説明いれます。

①分業化が多い為

アパレルの製造は縫製だけでなく当然、生地を裁断すること、ボタンホールをあけること、仕上げプレスをすること、場合によっては製品加工をすることもあります。

これらが分業となっていることが多い のが一つです。

大手工場や海外の工場でも大きいところは機材一式揃っているので、製品加工以外は1工場で完結することも多いですが、中小規模の工場は縫製するのみ・裁断~縫製・裁断~まとめまでなど1件ですべてやりきれるところは結構少ないです。

製品納めでの仕事となれば、そこに資材関係も絡んできます。かなり多くの相手とのやり取りを必要とし、管理がかなり多岐に渡りますよね。

メーカーの生産管理者が一人、ないし0名だとすると直接工場とやり取りする場合、その工場が縫製のみの工場だとしたらその生産管理は

資材の手配・工場とのやりとり・裁断の手配・仕上げの手配etc...を全部やらないといけなくなります。もちろん社内でやることも別でありますよね。

こうなるとあっぷあっぷです。それが1アイテムならまだしもメーカーは1シーズンに多くの型数を出します。ここに海外生産も混ざってくると…想像しただけで労働時間が恐ろしくなります。

なので振り屋さんに裁断からプレスUPまでまとめて任せて手間を省こう。という意味合いです

②人手不足・経費削減

上のことに関係しますが、アパレルや繊維関係は年収という意味で見ると、かなり低い部類に入ります。その中でもメーカー内の生産管理は…ということもあり新卒が入りづらい+アパレル自体で余裕のある会社も多くはなく激務になることも多いです。

それゆえなかなか定着しづらい職種でもあります。工場と社内の板挟みになるポジションでもありますからね…。ストレスががが、となっちゃいます。

会社からすると生産管理1名を仮に30万で正社員で複数人とるより

外部に外注して管理もしてもらうほうが結果的に安くつくことも少なからずあります。

③工場の縮小化・高齢化

これによって工場自体が国内は少なくなっているのも原因です。

いますぐにブランドを立ち上げたので縫製お願いします!と探そうと思っても、なかなか工場って見つからないもんなんです。

さらに見つかったとしても現状のメーカー対応でいっぱいいっぱいで納期もとりづらいなんてこともザラにあります。

直接やり取りしている工場さんが高齢化で数年で突然廃業するなんてこともあります。

そのとき慌てないように、振り屋さんの多くは数件から数十件の現場と取引を継続している場合が多いので、いざ1件がだめでも他で対応するなどが柔軟に出来る場合が多いです。

④物理的な距離

これも結構重要です。メーカーさんは結構都会に事務所がある場合が多いです。これは流行に早く対応できることもありますし、展示会等は東京や福岡・大阪・仙台・名古屋など主要都市で開催することが多いので、集客の観点からも大切だと思います。展示会を見に来られるバイヤーさん方は一回の出張で多くのブランドを見て回ることが多いので。

逆に工場はというと場所が物理的に必要ですので、都会は少ないです。場所代が高くつきますよね。あと人件費も都会は高いです。そこも原因の一つです

となると、メーカーと工場は必然的に距離が遠くなります。

けども確認事項は写真やメールなどのやりとりだけでは難しいものも多いので、見に行ける人が欲しくなります。生産の度に工場行ってはられないですよね。

良い振り屋さんは大体工場に居るか、すぐ近くに事務所を置いています。そういう細かい確認を任せられるのもメリットです。荷物の発送に関しても、振り屋さんにまとめておけば仕分けもそこで出来てしまうなどのロスカットもあります。

 

 

他もありますが、こういったメリット部分が意外に大きいので、無くならないし必要な『間』でもあるわけです。

もちろん大手メーカーであれば生産管理の人数も多く確保して全部工場と直接しかやらないというところもあります。そのほうがコストのメリットや意思疎通メリットは大きいので勿論メーカーと工場が直接やれるが良いとも思います。

ですが現実的な部分を考えると、難しく、やはり必要な部分だろうと思います。これだけのやる事を社内に一人しかいない場合や、企画や営業にやらせようというのは、さすがに難しいでしょう

 

あくまで僕の見解ではありますが、参考まで。