ひろいの徒然ブログ

アパレル生産管理自営の日々や子育て

【縫製工場さんの後出しジャンケン その値上げはダメです】お仕事の徒然

おはこん失礼。ひろいです。

今回は工場側にいるからこそ伝えたいことの1つを書きます。

それは工賃に関して。

 

僕は工場であり下請け工場の生産管理でもあるので基本姿勢は工場を良くしたいと思ってますし、正直理不尽なことも多くある世界だというのは過去の記事を見てもらってもわかるはずですが

ただ不平不満を言うだけでは変わりはしないのも事実。自分たちも変わろうとしているか 行動を起こしているか 起こそうという気はあるか

それによってその意見の持つ意味は大きく変わります。

 

工場をやる前で営業職・メーカー・飲食・販売までこなしてきたので(といっても全てプロフェッショナルかと言われたら そうとは言えませんが)工場側の問題も目に付きます。今オリジナルブランドを製作していることもあり工場としての 

そこはどうなの?

というコストについて投げかける話。

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まず縫製工場のコストは

工賃と言われますが、そこにはお客様によって内容がかわります。(工場に寄っても変わります)もともと日本の縫製工場は分業制が多く、未だにその状態は少なからずあります。基本は縫製にかかる行員さんの時間と保険などの・糸・機械類の管理費・光熱費から算出するのが縫製工場の縫製工賃。ほかに裁断費用・プレス仕上げ費用・ボタンホールなどのまとめ費用があります(一貫の工場もあります)

 

これはきっちり計算すれば出せるコストです。縫うのにかかる時間は1枚縫ってみればわかりますし、それがどのくらいの生産数がくるか分かれば量産としての効率を考えて(ここは経験値も必要)だせます。同じ商品が継続して対応できていればその精度も高くなります(定番てやつです。あまりないですけどね制服以外は)

 

ここで問題点です。

まず仕事を受ける際は見積もりがあります。口頭でも書面でも決めてから(あたりまえに書面が良いです)進行しますよね。

これで合意してから進行するはずです。

ですが工場がよくやらかすことで

仕事を受けてから「合わないから上げてくれ」という話が往々にして出ます。

受けてから 上げてくれないなら返す とか変な強気に出るところもあります。

これはダメです。見積もりは契約です。決めた時点でその仕事に対しての相手の支払う金額は固定になります。そのための見積もりであって、あとから変更するということは相手の状況を想像してください。予定している利益を削り取ることになりますし、場合によっては相手が赤字を被ります。

たしかにサンプルではこれくらいだ、というものが量産したら思っているより効率が上がらず値段が合わなかったということはあります。ただそれは自分の裁量がまずかった ということです。責任は自分にあります。

どうしても大赤字になりそうだとしても、その仕事は決めたコストできっちり終わらせて納品後に事情を説明して 先方に余裕があれば少し変更してもらえたらありがたい話です。またはその後の仕事で取り戻せるように相談する・同じ商品がきたら次回からは経験をもとに利益のだせる見積もりを出す。です。

とにかく見積もりは後出しはダメです。

 

これが未だに多い理由は双方に問題がある場合が多いです。とくに西の方。(岐阜より西の現場でよくあります)メーカーもとりあえず仕事投入する 値段はあとで考えようとかいうメーカーもいます。

そしてそれを普通の感覚で受けてる工場もあります。昔の悪しき習慣ですよこれ。

こういう仕事を受けてる人が工賃安い!とか文句いうのは違うと思ってます。それなら受ける前に値段出さないと。

 

たしかに工賃に対する感覚はまだ業界的に、利益がでる状況になっていない工場が多いですし、メーカーサイドも上代の関係で希望工賃出せないことも多いです。それに対して不満もあるので僕自身頭をなやませてどうすれば良くなるか考えています。安いと文句があるのなら

・まずサンプルを縫う

・工賃をちゃんと見積もる

・そのタイムラグを伝える(時間がかかりますということ)

・合わないなら受けない(またはグロスでみる)

仕様書やパターン見て概算は出せますが、実際のところは生産する生地をみて触ってみないとわからないはずです。

なので概算で出す場合は「あくまで概算です」ときっちり伝えること。受ける前・進行する前ならなんとかなります。単発では利益がでなくても取り組みで期間を儲ければ利益を出せる場合もあります。

しっかりと取り組みする相手とのヒアリングを行い、条件をきめて

きめたら決めたことが終わるまでは自分の決めたことに責任をもって終わらせる。

条件が変わったり、相手に抜けがあるならそこはきっちり上乗せしてもらいましょう。条件変わっても値段があげれないとかなら、それは相手が悪いです。それには声を上げましょう。(100枚での見積もりなのに20枚で同じコストとか、仕様変更があるとかです)逆に当たり前の手順を踏むことを嫌がる相手ならビジネスにはならないので避けるほうが無難です。

あくまで対等です。

 

こういうビジネスとして当たり前のことをせずに不平不満だけ言ってても説得力はなくなりますよね。苦しいのはわかりますし、仕方なく受けてる人もいるのも知ってます。

ですが イザ となれば別の道でも生きていけます。

まずは基本を抑えてしっかりと仕事を進めることで、仕事の精査をしてからにしましょう。

くれくれーだけにならず、自分たちでも考え行動しているからこそ意見は届くと僕は思いますよ。